高山京子のブログ

高山京子(詩•日本近現代文学研究)のブログです。基本的には文学や映画のお話。詩作品はhttps://note.com/takayamakyoko/へ。Xは@takayamakyokoへ。

中断したままの日記

※ご無沙汰しております。久しぶりの更新になります。

 

私は、およそ4年前に、適応障害から鬱病を発症するまで、約15年間、日記をつけていた。そのノートの数は、およそ100冊にもなる。

日記、といっても、それはまさしく「雑記」であり「ネタ帳」であった。日々の苦しい思いを書きつけたこともあれば、読んだ本、観た映画の記録もここに残してある。このブログの記事の大部分は、その日記をもとに書いたものである。

教員生活が忙しくて、文学どころではなくなったとき、私を辛うじて文学につなぎとめるものは、この日記だけだった。これは、ある時期の私のすべてと言ってもよい。書くことが、そのまま生きることだった。

それすらも絶たれたのが、鬱病の発症だった。以来、私は今日まで、日記をつけたことがない。もっとも、そのおかげで、寝たままでも書ける「詩」への道がひらかれたのだから、100%の絶望ではなかった。しかし、日記への思いは、ずっと持ち続けたままだった。

最近になって、病状もだいぶ回復してきたので、来年あたりから、また日記を始めようか、と思うようになった。そこで、実に久しぶりに、中断したままの、最後の日記を読んでみようという気になった。

以下、その抜粋である。

 

<2021年1月9日>

先輩から、励まされた。「これから、もっとつらいことが起こるかもしれない。だからこそ、ことあるごとに自分に言い聞かせなさい。今まで努力してきたこと、誠実に生徒と向き合ってきた自分に自信と誇りを持ちなさい。それを言い聞かせて、出勤しなさい」。

大丈夫だ、明日は、出勤できる。行ける、と言い聞かせる。明日辞めてもいいと思えば、行ける。仕事があるだけありがたいとか、何が何でも、とかだと、かえって具合が悪くなる。私は、何のために仕事をしているのだろう。

<2021年1月14日>

今日は、吐きまくって仕事に行ったという感じだった。職場に着いてしまえば何とかなるのに、行くまでが本当に苦しい。でも、ともかく、3日間、出勤できたのは自信になった。

<2021年1月18日>

仕事を休む。病院の時間を早めてもらう。「鬱病」の診断。死なないことを約束させられた。クビになるのが異常に怖い。お金のことじゃない。見捨てられるのが怖いのだ。

<2021年1月21日>

みんなに申し訳ない。おまえは、多くの人を、裏切るのか?

 

日記はここで中断したままだ。さぞ、苦しかったのだろう。読んでいて、つらい。

しかし、私は近いうちに、日記を再開するだろう。また、自分の生を記録していくだろう。結局、書く以外に、私の生きる道はないのだから。

 

※仕事は相変わらず多忙を極めていますが、このブログも、少しずつ再開していきます。よろしくお願いします。